2009年10月19日月曜日

煉獄の使徒 馳 星周

煉獄の使徒〈上〉弥勒世は、沖縄返還でしたが、今回は地下鉄サリン事件を、悪徳公安警察官を主人公に描きなおします。馳星周ものというと、主人公の強烈な個性、理解できないほどの破壊衝動、自滅へ走り出す不思議なまでの性格が、自分とは違った人間だと思わせがちですが、今回は宗教に自分を託してしまった多くの信者を描くことで、リアリティや共感までも生み出してます。自分と、登場人物との距離感は今までで1番短く、ひょっとすると、凄い傑作なのではないでしょうか。★★★★

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