2010年12月15日水曜日

これを読まないとわからないですね「マルドゥック・ヴェロシティ 123」冲方丁

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)これを読んでマルドゥック・スクランブルの意味がようやくわかりました。あまりにも危険な科学成果を社会が享受するための、まったく新しい倫理規定。それは、科学そのものに意志を持たせその乱用を図らせること。なるほど、ようやくわからなかった社会的な前提が理解できました。この路線と、シンパシーによってつながった集団とが競い合って、新しい社会を作る巨大な実験場=マルデゥック・シティ。それを作るまでの産みの苦しみこそ、スクランブルだったわけですね。進化は淘汰を前提とし、その中で進化を意識しつつ科学成果を試せる少女。戦いとは、社会とではなく、人類進化を得るためのもの。SFってこうでなければ。★★★

0 件のコメント:

コメントを投稿