2018年12月28日金曜日

「アステロイド・ツリーの彼方へ 年刊日本SF傑作選」大森望/日下三蔵 編

2015年のSF短編傑作集。漫画やエッセイのようなものも入っています。描き下ろしのような感じで、傑作選とはいえないような。★★★

2018年12月27日木曜日

「闘う微生物―抗生物質と農薬の濫用から人体を守る」エミリー・モノッソン

土壌を潤す微生物、反して、病気を人にも植物にも起こす微生物、そして抗生物質が効かなくなる現状。微生物とどのように付き合っていくのか、問題提起を投げかけている本です。植物の病気の写真を機械学習させて、農業を応援しているサイト(PlantVillage https://plantvillage.psu.edu/)など、多数の紹介事例も含んだ良書です。★★★

2018年12月25日火曜日

「呉越春秋 湖底の城 第九巻」宮城谷 昌光

連載9年。ようやく読了です。湖底の意味も、最終巻ではっきり記述されました。呉越同舟、呉越春秋。苛烈すぎて、生き方は真似できませんが、読み物としては面白かったです。★★★

2018年12月21日金曜日

「母の記憶に」ケン・リュウ

自分が、アジアの漢字圏文化の中にいることを再確認させてもらった。こういった文明レベルを感じさせてくれるSFは、これまでなかったものだろう。コロニアル文学もだが、こうした新しい切り口はまだまだ存在していて、読者を作れることを教えてもらいました。★★★★

2018年12月19日水曜日

「それまでの明日」原 尞

シリーズ4作目。14年ぶりの新作ということで、期待していたが、こんな偶然はさすがにないのではと思う展開が、3つも出てきて、ラストにも呆然。たぶん、今までの作品とは書かれた動機が違うのだろう。探偵事務所の場所が移ったことは、チャンドラーの「プードル・スプリングス物語」を考えるしかない。次回が最終作になるかもしれないが、プードルを飼う女性の登場した作品を期待します。★★★

2018年12月17日月曜日

「機龍警察 狼眼殺手」月村了衛

シリーズ第5段。今までの作品で、個別に登場人物を描いてきたが、それが統合され、謎の敵に当たる体制が整いました。警察内部や、他の政府機関との連携も少しずつとれてきてます。後は、強い敵の登場を待つだけ。シリーズの5冊、どれをとっても傑作です。★★★★

2018年12月12日水曜日

「アメリカは食べる。―アメリカ食文化の謎をめぐる旅」東理夫

アメリカを車で旅しながら、食事をし、その中から文明を確認していくという、ロードムービーのような本。朝食は、コンチネンタル、季節感なし、どこでも同じ味。しかし、その奥に大切な文明が息づいているのを、一緒に体感できます。★★★★

2018年12月11日火曜日

「ハロー・ワールド」藤井 太洋

短編集。既読が、2篇あったが、全体を通じて、連作作品になっているので、通して読み直せてよかったです。長編の近未来に対して、現在可能な領域でネット社会が直面しそうな問題に、コードを書くことで課題解決を目指す主人公をヒーロー仕立てで描いてます。ちょっと、ハードボイルド。この小説を、経済入門として読む人も出そう。★★★

2018年12月3日月曜日

「システムエンジニアは司書のパートナー しゃっぴいSEの図書館つれづれ」高野 一枝

時代によって、行政が作る図書館像も変わってくる。まず、貸出。そして、インターネットへの対応。そして今は、地方創生や、市民とつくる図書館など、新しい図書館が求められる。紫波町図書館や、塩尻市立図書館、鯖江市図書館など各地の図書館の新しい試みが紹介されています。シビックテックの図書館実例が盛りだくさん。★★★