2013年8月30日金曜日

怪獣モノは最後は人間のミカタ「MM9 ─destruction─ 」山本弘

MM9―destruction―: 3怪獣伝奇小説+異次元侵略宇宙人+神話的世界で、ちょっとやりすぎ。気象庁も活躍しないし、人間が出る幕がなかったのは残念。★★★

2013年8月28日水曜日

2作目はハードボイルド「顔のない魔術師」ベン・アーロノヴィッチ

顔のない魔術師 (ハヤカワ文庫FT)現代スコットランドヤードの新米警察官にして、魔術師見習いの主人公。父親は伝説のジャズミュージシャン。ロンドンの魔術師たちは、第2次隊線で壊滅状態。前作は、見習い全開でしたが、今回は見違えたように行動的。しかし、その報酬はあまりにも悲しいです。これ、かなりハードボイルド。ファンタジーミステリーで、これほどのハードボイルドを味わえるとは思いませんでした。抜群のデキです。次回作も期待してます。★★★★

2013年8月27日火曜日

アルダス社名の人物も登場、久々5つ星「そのとき、本が生まれた」アレッサンドロ・マルツォ マーニョ

そのとき、本が生まれた現在の本の概念を作り上げた、アルド・マヌーツィオ登場。持ち歩ける本、カンマやピリオド、イタリック体、すべて彼がベネチアで作ったものです。16世紀のベネチアに始まり、19世紀ベネチアまで、ベネチアの出版に限定した非常に狭いノンフェクションです。しかし、そこは場所が場所で、世界最初のタムルード、世界最初のアラビア語の本、医学書、美容書、料理本、楽譜と、現在に限りなく近い出版会の登場が垣間見れます。久々に5つ星です。★★★★★

2013年8月16日金曜日

鉄板の短篇集「SF JACK」日本SF作家クラブ

SF JACK新井素子、上田早夕里、冲方丁、小林泰三、今野敏、瀬名秀明、堀晃、宮部みゆき、山田正紀、山本弘、夢枕獏、吉川良太郎、12名の短篇集。さすがに小慣れていて、ハズレのない安定感ですが、どんなコンセプトで作ったのか一切の解説がまるでなし?しかし、昔の味の再読、馴染み深い作家の作品ばかりでちょっと寂しく感じました。★★★

2013年8月10日土曜日

この魔法が読みたかった「オーリエラントの魔導師たち」乾石 智子

オーリエラントの魔道師たち「夜の写本師」の感触が蘇ってます。短編4篇。どれも傑作です。日常のお呪いと、魔法との境界にある、まったく新しい魔法。この魔法が読みたかったんです。★★★★

2013年8月6日火曜日

ちょっと単純すぎ「国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源」ダロン アセモグル

国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源安定した国家が、経済の繁栄を産むという単純な歴史観で、繁栄している地域と、衰退している地域を分けようとしてます。しかし、単純すぎ。わかりやすいものは、いいものに思えますが、政治的な安定だけが経済的な繁栄を産むというだけでは説明できないことがあるような気がします。しかし、読み物としては抜群に面白いです。★★★