1世紀イスラエルの歴史書「イエス・キリストは実在したのか? 」レザー アスラン

宗教書というより、ざっくりとした歴史書といったところなのでしょう。それでも、この辺の歴史に詳しくないので、かなり楽しめました。聖書を読んだときに出てきた、セッフォリスとかの都市名とかが、占領ローマ軍を対象とした新しい新興貴族の住む町だとか、にわか歴史ファンには嬉しい情報満載。そいうったレベルで読む本のようです。★★★

「黒い破壊者 宇宙生命ＳＦ傑作選」中村 融 (編集)

生物を対象としたSFアンソロジー。 リチャード・マッケナ「狩人よ、故郷に帰れ」 ジェイムズ・H・シュミッツ「おじいちゃん」 ポール・アンダースン「キリエ」 ロバート・F・ヤング「妖精の棲む樹」 ジャック・ヴァンス「海への贈り物」 A・E・ヴァン・ヴォークト「黒い破壊者」 久々にSFらしいSFを読んだという満足感がいっぱい。宇宙はやはり、謎だらけです。★★★

新人作家とは思えない完成作「宇喜多の捨て嫁」木下昌輝

暗殺、毒殺、全身の腫瘍と悪者をそのまま体現している、宇喜多直家の人生を、オモニバス形式で描いた歴史小説の傑作です。これが第１作とは思えない完成度。伏線もすべて拾って、読後感の良さは久々です。本当に力作でした。★★★★

誤解を与えるのはこんなに簡単「地図は噓つきである」マーク・モンモニア

地図は、意識操作にピッタリ。簡単に誤解を与え、認識を変えてします。そんな実例が満載です。この本読んで、地図を見るときの心構えが変わりました。★★★

「オマル２―征服者たち―」ロラン・ジュヌフォール

1巻ほど説明してなくて、読みやすくなってます。しかも、登場人物も減って読みやすい。宇宙の話も出て、少しスペースオペラっぽくなってきました。単純で読みやすく、手に汗握る展開。ようやく、受賞理由が見えてきました。★★★

「西アフリカの王国を掘る—文化人類学から考古学へ」竹沢尚一郎

西アフリカの歴史なんて、マリ帝国しか知らない、その後はイスラム系の国。11世紀までの、西アフリカの歴史を掘り出す、考古学者のフィールドワークの本。現場の楽しさ、危険なところも読み始めたら止めれません。★★★★

福島は、原発はどうなのか、まずはこの本読んでみましょう「知ろうとすること。」早野 龍五 糸井 重里

地震後twitterに、放射線情報を上げ始めた物理学者、早野 龍五さんと、糸井 重里さんの対談集です。甲状腺がんについての記述は微妙と思う事もありますが、現状が本当によくわかる本です。★★★★★

第２回ハヤカワＳＦコンテスト大賞ですが「ニルヤの島」柴田勝家

個人のログをとことん残すことで、人格の再現が可能になり、死にたいする恐怖が無くなった世界だそうですが、まったくこの部分が信じられないし、死をミームで扱えるとも思えない。これが次世代を背負う作品とは、大丈夫なのか。★

これ絶対やってみたくなる「たのしいインフォグラフィック入門」櫻田 潤

ピクトグラムなどを中心とした、デザイナーよりの可視化、インフォグラフィックの入門書。載っている図が、かっこ良くて、はっとさせられる。レベル高い。まねして作ってみたいけど、そう簡単にはいかなんだろうけど、それでも作ってみたくなる魅力的な本です。★★★★

講義はゴール指向だ「インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック」島宗 理

大学の講義をより良くするために、読んでみました。講義には目的と、何を教えるかをはっきりすること。そして、その教える内容にあわせて、インストラクションがある。これ、凄いゴール指向で、ぼくには驚き。ゴールが無い、正解が無いから、大学の講義があると思ってました。少し考えを改めるべきなのか、もっと内容を絞って、ゴールを設定するべきなのか、誰かに相談してみないと。★★★

機龍警察,最新話収録！「NOVA+ バベル: 書き下ろし日本SFコレクション」大森望 編集

機龍警察の最新短編が入ってます。他にも、宮部みゆき、藤井太洋、酉島伝法と豪華ラインナップ。NOVAに、+がついた新シリーズです。★★★