2018年11月28日水曜日

「魔術師ペンリック」ロイス・マクマスター・ビジョルド

ヒューゴー賞など5賞受賞の〈五神教シリーズ〉の最新刊です。シリーズの「チャリオンの影」は、ファンタジーの大傑作。本作も、明るい幸せなファンタジーとして楽しめます。こういう本をもっと読みたいです。★★★

2018年11月27日火曜日

「観察する男」想田和弘

台本やナレーション、BGM等を排した、「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーを撮っている作家の本です。岡山を舞台にした作品「牡蠣工場」という映画の制作過程が書かれています。出版社は、小部数出版を専門とするミシマ社。メジャーにのらない本も忘れずに読みたいと思います。★★★

2018年11月21日水曜日

住民課のシゴト(自治体の仕事シリーズ)

住民課の窓口業務をまとめた本です。マイナンバーは、「社会保障」「税」「災害対策」以外の目的外利用ができないと法律で決まっているとか、戸籍法が明治大正昭和でどのように変わったとか、じっくり読むと面白い。しかし、ドメイン知識が足りないため、読み解けない。専門家に教えてもらうセミナーとかあればいいのに。★★★

2018年11月20日火曜日

「陰陽師 平成講釈 安倍晴明伝」夢枕 獏

講談本を元に、安倍晴明。しかし、これは本で読むものではなく、講談で聞くから面白いと感じました。★★

2018年11月19日月曜日

「そろそろ本当の忍者の話をしよう 最新版ビジュアル忍者ガイドブック」佐藤 強志

2018年に発足した、国際忍者学科が出した本。忍者というより、諜報活動要員。幕末までの活躍を、資料を元に描いてあります。青森で新たに、忍者屋敷が見つかったり、白色の狼煙を上げる方法や、実際の伝達速度を実証したりと面白い本でした。★★★

2018年11月15日木曜日

「シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧」エマニュエル・トッド

イスラム教指導者を風刺漫画批判した出版社が、イスラム過激派に襲撃され、フランス全土でデモが発生。その際の合言葉が、「私はシャルリ」。これは、暴力的で不寛容なイスラム原理主義に対する抗議と紹介されたが、実はもっと根深い差別が動機になった。という趣旨の本。フランスのカソリック教徒の家庭崩壊や、フランスとドイツの宗教観の違いなど、移民政策を真面目に考える必要のある日本にも密接な問題を描いた本でした。★★★★

2018年11月14日水曜日

「岳飛伝 十七 星斗の章」北方 謙三

間があいてしまったが、最終巻ということで読了です。民衆や経済主体で、ヒーローがいなくなったはずの本シリーズですが、最後はまとまった感じで終了。チンギス紀では、北からの目線で描かれるのを期待してます。★★★

2018年11月12日月曜日

「先生、脳の中で自然が叫んでいます! 」小林朋道

ようやく語られた小林少年の思い出。体験からきた、子供の頃に生物と接することの意味、それが自然観に及ぼす影響。人の生存に関する影響が、作者の研究テーマらしい。著者のバックエンドを知れたのはよかった。論文、などもどんどん紹介して欲しい。★★★

2018年11月9日金曜日

「白銀の巫女 紐結びの魔道師2」乾石智子

「夜の写本師」以来、全作品を読んでいます。しばらく、現実感のない作品が続き、読むのがしんどかったのですが、完全復活。3作シリーズの2作目ですが、前作共々、読み応えがあり、登場人物も活きています。3巻目が楽しみです。

2018年11月7日水曜日

「超動く家にて 宮内悠介短編集」宮内悠介

冒頭、雑誌「トランジスタ技術」の広告を取り去り圧縮する競技会、これでやられました。「文学部のこと」は、文体がまるで別役実。「クローム再襲撃」など、ある意味パロディ作品が目白押しです。★★★

2018年11月2日金曜日

「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」田中 圭一

勧められて読みました。漫画ですが、図書館にも置いてあります。鬱なんて関係ないという人も読むと、自己肯定の難しさや、社会との付き合いなどなるほどと思うことが満載です。★★★★