2015年6月29日月曜日

「彷徨える艦隊 10──巡航戦艦ステッドファスト」ジャック・キャンベル  

彷徨える艦隊 10: 巡航戦艦ステッドファスト (ハヤカワ文庫SF)登場人物の性別がいきなり変わったりして、翻訳酷すぎ。物語は、一路終焉へ向かってます。戦術論は限界。この後、ジャンプのようにより強い相手を見つけられるのかが問題。★★

2015年6月28日日曜日

期待したのに「老人たちの生活と推理」コリン・ホルト・ソーヤー

老人たちの生活と推理 (創元推理文庫)ロサンジェルスの高級老人ホームの老人たちが主人公のユーモアミステリー。期待したのですが、老人たちのほとんどは自分勝手な犯罪者で、ユーモアというよりわがままと見栄だけ。彼らが動かなくても犯罪は解決するし、ただ暇つぶしに邪魔になっているだけ。情けない姿の老人ばかりで、自分がこうなりたいとは思えませんでした。がっかり。★

2015年6月22日月曜日

行動原理が無茶苦茶になってきてます「ソフロニア嬢、仮面舞踏会を密偵する」ゲイル・キャリガー 

ソフロニア嬢、仮面舞踏会を密偵する (英国空中学園譚)パラソル奇譚との関連性、登場人物のバックグランドが少しずつ見えてきました。しかし、行動原理は気に入らないからという、無茶苦茶な行動の連続。登場人物に引っ張られて、ストーリーに真実みがなく、ただの物語を並べるだけになってしまってます。最終巻で、うまく収めて欲しいものです。★★

2015年6月19日金曜日

決戦間近「岳飛伝十三 蒼波の章」北方 謙三

岳飛伝 十三 蒼波の章決戦間近、みんな力をつけていい感じです。しかし、経済戦はどこかに行ってしまいそうで、成り行きが不安ですが、いい雰囲気です。★★★

2015年6月18日木曜日

バラバラだった物語が見事に「悲録伝」西尾 維新

悲録伝 (講談社ノベルス)バラバラだった物語が見事に、折り畳まれ収拾しました。何と言っても、6日間のできごとが、2年間6冊まで膨らんで、登場人物もかなり生き残って、どうするんだろうと思いましたが、気持ちがいいくらいに決着がつきました。今まで辛かったけど、この巻で報われました。こういうの書けるんだ。こういうミステリー書けば良いのに。★★★

2015年6月17日水曜日

最早推理してないのでは「アーサー王の墓所の夢」アリアナ・フランクリン

アーサー王の墓所の夢 (創元推理文庫)ヘンリー2世統治のイングランド。アラブとの交流も深いサレルモから来た女性医師が探偵として活躍するシリーズ第3作。異文化ミステリーともいえた1作目からどんどん推理の質が落ちて、とうとう巻き込まれて生き残ったら解決しましたというところにまで。作者も死んだし、4作目の翻訳はなさそう。ちょっと読みたい気もするのですが。★★

2015年6月16日火曜日

中身薄いのが残念「海の極限生物」スティーブン・R・パルンビ+アンソニー・R・パルンビ

海の極限生物見事な写真があるわけではなく、初めて読んだ生物の記事がある訳ではなく、どれほど凄いことなのか十分な説得力も無い。残念な本でした。★

2015年6月15日月曜日

ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞、史上初の3冠「紙の動物園」ケン・リュウ

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)1976年に中国で生まれ、11歳の時にアメリカに移住、ハーバード大学を出てマイクロソフトに入社。現在は、弁護士とプログラマーをやりながらSF小説を書くというプロフィールが作品を読むと実感できる、私小説SF短編集。この1冊に入っている作品だけで、受賞作が満載。SF好きで、読んでない方は読みましょう。しかし、私小説なのでとても悲しい、悲しさが身に染みます。★★★★

2015年6月14日日曜日

久々に復活「大江戸恐龍伝 全五巻」夢枕 獏

大江戸恐龍伝 第五巻最近悲しい作品が多かったですが、久々に楽しめる作。あったかい地方に行って、恐竜を見つけて、島が爆発して、恐竜が案の定逃げて江戸の町を破壊して行きます。平賀源内で張ったラインが取りこぼされたり、荒い部分もありますが、楽しめて読めるので何より。★★★

2015年6月9日火曜日

ワイルド・プレデターの能力わかります「無人暗殺機ドローンの誕生」リチャード・ウィッテル

無人暗殺機 ドローンの誕生ちょっと前までおもちゃも同然だったドローンが、世界を変えるといわれ始めました。問題は、飛行時間と、ペイロード。では、実際の米軍殺人兵器はどの程度の航続距離、飛行速度、ペイロードを持っているのか。爆弾搭載のMQ-1プレデターの能力が大雑把ですがわかります。危険は危険で、理解したいという目的を十分果たしてくれました。★★★

2015年6月7日日曜日

テクノロジーデストピア「まおゆう魔王勇者」橙乃 ままれ

まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」最終の5巻まで読みました。中世世界の農奴解放、ジャガイモなどの作物に、輪作などの技術、貨幣経済とその理論を応用して、いい世界を作ろうという試みは見事に裏切られます。ともあれ、新しいヒロイックファンタジーの方法論を確立させたのは確かで、読むのは面白かったです。★★★

2015年6月3日水曜日

「江戸の幽明 東京境界めぐり」荒俣宏

江戸の幽明──東京境界めぐり (朝日新書)江戸と、現代を結ぶ土地と地名。日本橋の老舗を皮切りに、目黒、田園調布、最後は作者の幼少期に住んだ、板橋、練馬と膨大な知識に支えられたブラタモリ風町歩き。江戸が現代でもどれだけ残っているのか思い知りました。★★★★

2015年6月2日火曜日

監視カメラの完全監視世界「ラットランナーズ」オシーン・マッギャン

ラットランナーズ (創元SF文庫)監視カメラの完全監視世界ロンドン。唯一監視対象になってないローティーンの子どもたちが、ギャングの下請け代行しているが、とうとう反逆。ジュブナイルと、ピカレスクのいいとこ取りで、ストリーも軽快。しかし、登場人物が立派すぎて最後は興ざめ。★★★

2015年6月1日月曜日

読んでよかった「人が死なない防災」片田敏孝

人が死なない防災 (集英社新書)311の際釜石では、小中学生が自分の判断で避難し、津波に巻き込まれた生徒はほとんどいなかった。これを釜石の奇跡と読んでいるらしいが、この指導を行った著者ははじめにで、いきなり敗北と書いている。自分の家は津波でも大丈夫な場所だから逃げない、それでは想定外の際には津波に巻き込まれてしまう。津波、水害、土砂崩れ、想定外の場合に自分の判断で逃げることができるのか、何故人は逃げないのか。意識が変わります。この本、読んでよかったです。日本に住むすべての人が読むべき本です。★★★★★