本居宣長以前の古事記「古事記はいかに読まれてきたか〈神話〉の変貌」斎藤英喜

古事記は、本居宣長によって蘇り、比較文献として復活した。そんな、本居宣長以前の古事記を、もう1度読み直し、本居宣長もその流れで捉え直そうという話です。普通に勉強になります。伊勢外宮の等由気大神が、アマテラス級の扱いになったのは何故かとか、気にしてもいなかったコンテンツも拾えました。★★★★

レコードが虫から「虫と文明 螢のドレス・王様のハチミツ酒・カイガラムシのレコード」ギルバート・ワルドバウアー

ご自分の研究のことを書けばいいのに、他人が書いたものの引用ばかり。虫が役にたっていた事例を辞典的に紹介していますが、どこかで読んだことがある事例ばかり。こういった本を読む人なら知っているのでは。カイガラムシのレコードのことは知りませんでした。★★

対岸の火事「ドーキンス博士が教える「世界の秘密」」リチャード・ドーキンス、デイヴ・マッキーン（絵）

でかい写真にしてみました。超重い。腕が痛い。大型本です。内容は、奇跡はなくて、神はいなくて、科学は正しい。「神は妄想である―宗教との決別」の絵本版です。簡単に読めますが、面白くもないし、結局、興味のない人は読まないのでは。★★★

良くも悪くも西行「宿神 第三・四巻」夢枕獏

2巻までの、自在な物語展開が、歴史記述に忠実になって、ややトーンダウン。もう少し清盛には活躍して欲しかったのですが。最後は、日本らしい漂白感ある西行になりました。★★★

今の中国は、清＝草原騎馬民族＋漢族の遺産「興亡の世界史 05 シルクロードと唐帝国」青柳 正規

唐は、鮮卑系の草原騎馬民族の王朝であり、漢民族の王朝ではなかった。実は中国のほとんどの王朝は、このパターン。漢族の中国の幻想が剥がれます。しかし、この本3章までの日本語が酷すぎ。明らかに文章書けない人が書いてます。4章からは普通に読めるようになります。★★★

類まれなインタビュー集「中国新声代」ふるまいよしこ

中国でほとんどの人が知っているだろう文化人18人へのインタビュー集です。しかし、王小峰、梁文道など、ほとんどの日本人が知らないのではないでしょうか。実は、日本人は中国のこうした文化人の意見をほとんど知らず、日本のマスコミはもっと知らない。なににしても、まず知識から。そういった意味では、戦争のなんのと言い出す前に、まずこの本を読んで欲しいです。なので古い本ですが、再掲します。インタビュー集としても出来が良くて、では自分はどうなんだと、振り返って考えるような箇所が散見します。著者のコラムが読みたい方は、まずこちらを。中国 風見鶏便り★★★★★

「興亡の世界史 02 スキタイと匈奴 遊牧の文明」林 俊雄

スキタイについては、発掘成果が、匈奴についてはかなり詳しい記述が入ってます。特に匈奴が衰退して、漢代にどうなっていくのか、詳細に書かれています。しかし、草原で起こった1個の文明、遊牧がどういったものなのか、いまひとつわかりません。★★★

グランドホテル形式「サンタクロースは雪のなか」アラン・ブラッドリー

シリーズ4作目。ようやく、周囲の人たちの過去が明らかになってきます。バックショー荘で、雪に閉じ込められたまま、ついに殺人事件。戦争の過去が全員に襲いかかってます。★★★

こんな本が普通にでるようになった「CPU自作入門 ~HDLによる論理設計・基板製作・プログラミング~」水頭 一壽, 米澤 遼, 藤田 裕士

FPGAの基盤作りから、実際のプログマミングまで。やってみると達成感。休み休みで、3ヶ月以上かかりました。ふう★★★

Kindle本「高丘親王航海記」澁澤 龍彦

澁澤龍彦の遺作。マニュアルや、ビジネス本以外で、初のKindle本です。本当に読む小説がないのが問題です。肝心の小説は、幻想譚で、航海の不思議さがなんとも言えません。★★★

さすが元気な本「これが物理学だ！マサチューセッツ工科大学「感動」講義」ウォルター・ルーウィン

MITの講義公開で一気に有名になった教授が本を書きました。NHKでもやっているんですね。http://goo.gl/ptIaV 本の方は、ナチスから逃げた話から、講義、電波天文学まで、元気なおじいちゃんです。★★★