2018年10月30日火曜日

ニコライ堂のバザーは、終わってます 2018

毎年、文化の日辺りで開催される、御茶ノ水ニコライ堂のバザーですが、今年は10月に開催されました。残念ながら終わってます。昨日から、あまりにも昨年記事への検索ヒットが多いので一応、書いておきます。

「宇喜多の楽土」木下 昌輝

「宇喜多の捨て嫁」に続き、息子の秀家が登場。しかも、彼の目線で物語が進みます。楽土を作ろうという目的意識を、幼少期にはひたすら書けていますが、青年すると行動原理がよくわからなくなります。説得力がない。しかし、王道歴史小説としては、まずまず。文章の推敲の苦労が忍ばれます。★★★

2018年10月23日火曜日

「中国メディア戦争―ネット・中産階級・巨大企業」ふるまい よしこ

中国のマスコミ規制、SNS規制ってどうなっているんだろう。本当の現実を知りたい。そんな時は、この本です。著者のTwitterは、日本のマスコミ批判が強いですが、こちらは中国の現状がわかる良書です。★★★

2018年10月22日月曜日

「賢者の石、売ります」朱野帰子

似非科学に対抗し、科学的な考えで商品を売ろう。というSFです。水素水や、マイナスイオンドライヤーなどが登場します。似非科学は売れるけど、この小説は売れないんだろうなあと。★★★

2018年10月17日水曜日

「マルドゥック・アノニマス 2・3」冲方 丁

ウフコックは、ひたすら静かに潜入を続けます。クインテットは、勢力を広げ、都市に基盤を固めていきます。しかし、ドミノ倒しのように、その基盤が崩れていく後半。直接対決ではなく、都市に持つ支配力が削がれていく過程が今回のハイライト。★★★

2018年10月15日月曜日

「7人のイブ Ⅲ」ニール スティーヴンスン

5000年がたち、ハードレインも終了。イブたちの直系クローンにより、性格や社会での役割が決まってきた人類社会。地球上には、地下と海に潜って生き延びた人々。物語としては、ほとんど形になってない小説ですが、この社会を描くための3巻目といいった感じです。期待したほど面白くなかったというのが本音。★★

2018年10月10日水曜日

「第三の願い」「伝説の都」嵐の王 カイ・マイヤー

シリーズ2巻、3巻です。情景描写で物語が動かなかった1巻と違って、2巻からは急展開。弟が出てきて、昔の彼女が復活し、魔神が登場。ついには別世界まで。2巻は楽しかったのですが、まとめる3巻にはちょっと無理がでてきます。アラビアンナイトの世界に、魔神との戦争を持ち込み、空飛ぶジュータンで翔る主人公。イメージはかいますが、小説としての出来はいまいちでした。★★★

2018年10月9日火曜日

「カブールの園」宮内 悠介

第156回(平成28年下半期)芥川賞候補作。アメリカにおける日系人をテーマにした、中編2編を収録。日系人の収容所跡を旅して回ったり、心象を重視した作品で、SFとは違う試み。そのうち、結実した作品を楽しみにしてます。★★★

2018年10月3日水曜日

「クモの糸でバイオリン」 (岩波科学ライブラリー)大崎茂芳

蜘蛛の研究を続けて、ついに蜘蛛の糸でバイオリンの弦を作ってしまった研究者の自伝。蜘蛛の糸を工夫して、弦を完成するまでの下だり、面白いです。ついには、バイオリンが引けるようになり、学会発表までこぎつけます。★★★

2018年10月1日月曜日

「旋舞の千年都市」イアン マクドナルド

キャンベル記念賞・英国SF協会賞受賞のSFで、舞台がイスタンブールときては、読まずにいられません。しかし、読むのは体力がいりますし、SFとしての終わり方にはちょっと疑問です。★★★