2016年6月30日木曜日

ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞、英国幻想文学大賞、キッチーズ賞7冠「亡霊星域」アン・レッキー

亡霊星域 (創元SF文庫)かつて中島梓さんが、「鉄腕アトム」を評論して、正しすぎて人類では付き合うことができず、アトムはメコン川岸に埋められた、といった趣旨の評論を書いていたのを思い出しました。あまりにも正しい隷属体は、人類の鏡なのかもしれません。ともかく、世界観といい、手袋へのこだわりといい、文明の香りまで創りだした宇宙帝国に夢中になりました。★★★★

2016年6月29日水曜日

なぜ疑似科学を信じる人がいるのか「彼女がエスパーだったころ」宮内 悠介

彼女がエスパーだったころ疑似科学をベースに、拡張することでSFを書くこともできる。しかも、そこには人間がなぜそれを信じるかの小説としての表現が存在する。実験小説を超えて完成度が高い連作短編集。やられました。★★★★

2016年6月13日月曜日

あれ戦争の話は?「戦争の物理学 弓矢から水爆まで兵器はいかに生みだされたか」バリー・パーカー

戦争の物理学―弓矢から水爆まで兵器はいかに生みだされたか評価が高かったので期待していたが、戦争の要請が武器の発達を促した、それをサポートしたのがといった当たり前の流れを期待していたが、残念。兵器とは関係なく、物理の話がとうとうと続きます。他でも読める中性子の話ではなく、兵器に特化した工夫の話が読みたかったのです。★★

2016年6月6日月曜日

声優入門?「声優魂」大塚明夫

文字通り生き様になっている、大塚明夫が声優になりたい人のために本を書いてます。最早声優は職業ではなくなり、その先になってしまって、声優学校に行っている人たちはどう思うんだろうと気の毒になりました。声優は生き様です。★★★

2016年6月1日水曜日

「コトラー 世界都市間競争」フィリップ・コトラー、ミルトン・コトラー

マーケティング界の大物コトラーが、次世代に生き抜く都市とは何かを書いてます。多国籍企業を、国家の助けなく誘致できる都市こそ、次世代に繁栄する。そして、その大半は第3世界の都市にシフトしていく。シンガポールやベトナムに多国籍企業の誘致を取られてしまった東京の価値が減っていく中、ソフトウエア産業の海外からの誘致のできない日本の諸都市の命運が思いやられます。★★★