2016年1月31日日曜日

「呉越春秋 湖底の城6」宮城谷昌光

呉越春秋 湖底の城 第六巻楚への復讐終了。なんかあっさりとしていて、激情感がなかったような。今後は、悲惨なことになっていくと思うんですが、どう描くのか興味がつきません。★★★

2016年1月30日土曜日

明るく楽しく「イカロスの誕生日」小川一水

イカロスの誕生日 (ミューノベル)著者略歴に、技術のリアルさを追求しながらも、笑いを取ることを忘れない、明るく楽しく人を食ったSF路線を目指す、と書いてあります。まさにその通りのSF。ジュニアノベル。出生作のようですが、今や、暗くわかりにくく、読むのが辛い、「天冥の標」が連載されています。★★

2016年1月29日金曜日

面白いけど文章、装丁は最悪「生物界をつくった微生物」ニコラス・マネー

生物界をつくった微生物微生物愛に溢れていいますが、その他への愛はない本。訳者が、原文酷いと後書きで書いていて、訳も読みやすいとは決して言えない。オマケに、行間が驚くほど狭く、読みにくい。微生物や、細菌については詳細に書いてあって、ゆっくり読むとそれなりに面白い本でした。★★

2016年1月28日木曜日

「汝、コンピューターの夢〈八世界〉全短編1」ジョン・ヴァーリイ

汝、コンピューターの夢 (〈八世界〉全短編1) (創元SF文庫)昨年、ハヤカワから「逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選」が出たばかりですが、今度は創元から短編集が出ました。「ピクニック・オン・ニアサイド」「逆行の夏」「ブラックホール通過」「鉢の底」「カンザスの幽霊」「汝、コンピューターの夢」「歌えや踊れ」が入ってます。新作入り。ほとんどダブってますが、それでも読みなおしてしまいます。★★★

2016年1月27日水曜日

文庫ですが新章入ってます「なぜヤギは、車好きなのか? 公立鳥取環境大学のヤギの動物行動学」小林朋道(朝日文庫)

なぜヤギは、車好きなのか? 公立鳥取環境大学のヤギの動物行動学 (朝日文庫)ハードカバーを文庫化し、2章が追加されています。大学内でヤギを飼う。相変わらず面白いです。ヤギ部のサイトはこちら。http://yagibu.blog.fc2.com/ ★★★

2016年1月26日火曜日

こんなところにもオープンソース「ドローンを作ろう!飛ばそう!」高橋 隆雄

ドローンを作ろう!飛ばそう!ドローンを手作りするための入門書。部品集め、原理、ソフトなど一通りの作り方が全て入ってます。制御を行うフライトコントローラーは、オープンソース。ハードもソフトも手作りして目的に会ったドローンをチューニングする段階に入ったようです。★★★

2016年1月22日金曜日

文庫ですが新作入ってます「遺跡の声」堀 晃

遺跡の声 (創元SF文庫)トリニティ・シリーズが全て収録されています。1996年に発行されたハードカバー「遺跡の声」に、2007年に書かれた「渦の底で」を追加した完全版です。もちろん「太陽風交点」も入っています。再読、情報理論も含めて少しも古くなっていません。★★★

2016年1月20日水曜日

新築をして貧乏になる日本「解決!空き家問題」中川 寛子

解決!空き家問題 (ちくま新書)著者の方とは、渋谷で開催されたGoogle東北インパクトに参加した際、アンカンファレンスでご一緒させていただきました。中古住宅価格が20年で無価値になり、価値を作って転売できるような海外との違いは何なのか。新築は有利だが、中古になるととたんに厳しくなる評価額。相続放棄した物件を国が調べることもデキない法律体制。税制まで、新築だけに有利な仕組み。新築を建てて、ローンを払った頃には無価値になり、それを相続する40代。日本が、こんな問題を抱えていたのかと唖然。自分でも親の家を考える問題を抱えて、勉強になりました。後半、空き家を有効利用するイノベーションが紹介されています。こちらは、空きや問題イノベーションそのものです。★★★★

2016年1月19日火曜日

「ひとり出版社”という働きかた」西山雅子

“ひとり出版社”という働きかたミシマ社を始め超小型出版社を紹介した本です。個性的でちょっと変わった本を出したいという思いが講じて、出版社になってしまった人たち。写真集だけの出版社を始め、他では出せない本たち。出版が商業行為になってしまった現状を取り戻してくれるささやかな本を応援したいです。★★★

2016年1月18日月曜日

短編いいかも「愚物語」西尾維新

愚物語 (講談社BOX)お馴染みの登場人物、老倉育、神原駿河、斧乃木余接がそれぞれ主役の短編が3本入ってます。阿良々木暦は登場しない、女性の1人称だけで進んでいきます。短編なので、テーマがはっきりしていて、読みやすい。意外に面白かったです。★★★

2016年1月17日日曜日

すでに消失中「寺院消滅 失われる「地方」と「宗教」」鵜飼 秀徳

寺院消滅消失するのは、限界集落だけではない。しかも、すでに消失している寺院がいっぱい。仏像などの盗難も、こうしたことが原因。檀家がなくなり、頑張っても限界がありそう。葬式しかできない仏教会だけの問題ではなく、社会構造が変わっている現在に、仏教がついてきていない。江戸時代が終わり寺請制度がなくなり、それでもだましだまし続けてきた仏教会の無策さは驚くばかり。しかし、同じことが共同体にも起きている現状が見えます。★★★

2016年1月16日土曜日

感謝「ハヤカワ文庫SF総解説2000」

ハヤカワ文庫SF総解説2000いきなり「スターウルフ」、「宇宙嵐のかなた」、「英雄コナン」。翻訳物はすべて読んでるはずで、(ローダンシリースは200巻まで)とにかく懐かしいです。しかも、未だに続いているリスト。ハヤカワ文庫に感謝します。「リアノンの魔剣」とか、まったく忘れてしまっているものもあって、ちょっと悲しいです。欲を言えば、1冊1コラムにして欲しかった。「さすらいのスターウルフ」は、「スターウルフ」にまとめられてしまうし、表紙も1つだけになってしまって、読書体験を追うには不十分。文字も、小さすぎです。★★★★

2016年1月15日金曜日

手慣れた学園小説「美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星」西尾 維新

美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 (講談社タイガ)リスカの頃が懐かしい。あの頃の冴えや、実験や、諸々の思いの入った小説ではなく、ただただ手慣れた学戦小説。ぼちぼち、西尾維新を追いかけるのをやめるべきなのか。★★

2016年1月14日木曜日

総力戦開始「岳飛伝 十五 照影の章」北方 謙三

岳飛伝 十五 照影の章南宋、金、梁山泊、岳飛、全員揃って、しかも総力戦が始まりました。経済力で、梁山泊が一歩有利。モンゴルも登場して、ぼちぼち終焉に向けてまとまってくるのか。★★★

2016年1月13日水曜日

アラビアンナイト・スペースオペラ「複成王子」ハンヌ・ライアニエミ

複成王子 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)「量子怪盗」の続編です。今回は、失われた地球圏で失われた情報を求めて、恐ろしい戦争が始まります。しかし、その戦争たるや星の世界から魔物たちが降ってくるようなアラビアンナイトの世界。新世代のスペースオペラとして楽しめます。★★★

2016年1月12日火曜日

思考実験ですが「この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた」ルイス ダートネル

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた実際に文明をこの本で復興することはできそうもありませんが、思考事件としては楽しめます。面白かったのは、デザイン・ザット・マターズ社という会社。全員がボランティアで、保育器の第3途上国への寄付は、95%が使われなくなる。これを防ぐために、自動車部品を使って保育器を再設計。現地の工業技術でメンテできる保育器を開発しようとしているとか。★★★

2016年1月11日月曜日

フランスのアニメ事情「水曜日のアニメが待ち遠しい フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす」トリスタン・ブルネ

水曜日のアニメが待ち遠しい:フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かすテレビ番組から始まった、第1次、第2次アニメブーム。そして、漫画へのシフト。グレンダイザー、エヴァンゲリオンの当たった理由。フランス人から見た、日本のアニメ、漫画のリアルな解説が面白いです。彼らの日常に溶け込んだアニメの意味を再確認。★★★

2016年1月10日日曜日

バチカルビとの写真もアップ「神の水」パオロ・バチガルピ

「ねじまき少女」と一転、シリアスな水戦争が起こったコロラド川流域が舞台。これ、かなり実現しそうな近未来SFです。純文学を愛し、文体にこだわるバチカルビが次に出してきた意欲作といったところでしょうか。慶応で撮ったバチカルビとの2ショットは自慢です。★★★★

2016年1月9日土曜日

月の上でのボーイミートガール「100%月世界少年」スティーヴン・タニー

100%月世界少年 (創元SF文庫)新人の作品で、荒いところが目立ちますが、それでもテンポよく、第4の原色を元にした不思議と魅力あるSFです。登場人物は、アメリカ風ハイスクールに通う高校生たち。登場人物がよく書けてて、魅力的。続編期待、映画化の話もあるようです、★★★

2016年1月8日金曜日

語り手さえも消滅した「絞首台の黙示録」神林長平

絞首台の黙示録神林長平といえば、語り手を通して世界が異質に変形していく作品としか言いようがないのだが、とうとう語り手もいなくなってしまいます。登場人物も、わずか3人。これで、長編が読めるのだから筆力は凄いけど、はっきり言って何がやりたいのかさっぱりわからなかった。実験の方向がつかめないというのが読後感。★★

2016年1月7日木曜日

西洋史と東洋史を統合したのがモンゴル帝国?「世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統」岡田 英弘

世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統 (ちくま文庫)モンゴル帝国だけでなく、遊牧騎馬民族が古代から次々と国を作っていく過程が描かれます。そして最後は、ロシア、清、両帝国が生まれ、その後海洋帝国が世界を末席する。世界史好きなら読むとドキドキする論旨。杉山正明は、それなりに読んだのですが、岡田 英弘はこれが初。他にもかなり著書があるので楽しみになってきました。★★★★

2016年1月6日水曜日

「闇の左手」復活。「世界の誕生日」アーシュラ・K・ル・グィン

世界の誕生日 (ハヤカワ文庫 SF ル 1-11) (ハヤカワ文庫SF)7月からお休みしてましたが、Blog復活させます。まずは、「世界の誕生日」。「闇の左手」の惑星、ゲセンを舞台にした短編2篇が入ってます。他にもハイニッシュ・ユニヴァースものがどっさり。読んでいると、闇の左手の世界が戻ってきます。翻訳も、小尾 芙佐さん。作者ともども、まだまだ力量を感じます。★★★★