2009年2月6日金曜日

スプーク・カントリー ウィリアム・ギブスン

Toutyou 前作、「パターン・レコグニション」同様に現代小説になっています。今回は、2006年2月。ヒュベアトス・ビゲンドは、前作同様に世界の謎に挑戦を続けています。
「パターン・レコグニション」では、google、eBay、スターバックス、9.11でしたが、今回は、google earthに、GPS、ヘッドマウントディスプレーによる、路上バーチャルリアリティがアート作品として登場します。ヒロイン、ケイスに代わって、元人気ロックバンドのボォーカル、ホリス。東京は、高価で完璧な食事の代名詞になって、エッジからはのけものです。食事は、日常的なものに回帰して、ビゲンドはおもちゃマニア扱い。
文章がますます緻密になって、読み飛ばせないために、とてもゆっくりしか読めません。4分の3までほとんど事件も起こらず、しかも、現代なのでどれがシンボルで、どれは関係ないのか判断がつきません。残り、3分の1は、いつもどおり「マルタの鷹」状態で聖杯争奪戦になりますので、楽しく読めます。「パターン・レコグニション」と同じく、ギブスンらしい、しかも新しいトレンド小説としても申し分なし。ネットバブルには、関係なさそうですが、ギブスン、ファンにはほっとできるレベルの作品になってます。★★★★



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