超ひも理論の解説書「エレガントな宇宙」の作者渾身の第2段です。今回は、時間と空間について物理学がどこまで考えられるようになったのか。その切り口の見事さに、呆然としました。
アインシュタインの2つの相対性理論、量子論、インフレーション理論、重力の統合、超ひも理論、ブレーンワールドまで、それぞれの理論が、時間と空間についてどのような新しい見方を示してくれたのかを、教えてくれます。エントロピーが減少するのは、この宇宙が成立時に、とんでもなく平坦で高いエントロピーを持っていたから、その理由をインフレーション理論がどう扱えるようにしたのか、その結果、時間の矢が、未来にも過去にも流れる現在の物理学においてどう考えられているのか。時空という切り口があることで、今までにない、解説書になっています。ここ10年で読んだ、科学解説書で文句なく1番面白いし、ほとんどのSFがみじめに見えるほど、世界の見方を変えてくれます。とにかく、勉強不足の部分を調べなおして、できるだけ早く、もう1度読みなおしたいと思ってます。★★★★★
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