72%のダークエネルギー、23%のダークマター、5%の通常物質から宇宙はできている。では、どうやって通常物質の重さを測ったのか。星間のガスの重さはどうやって測るのか。ダークマターやダークエネルギーが必要とされる数値をどうやって測ったのか。こうした疑問に答えながら、今のところ、唯一ダークマターを観測できる方法である、重力レンズを使った観測方法について丁寧に解説してあります。重力レンズは、凸レンズの役割を果たす。銀河は大きなレンズ。ダークマターは、弱いレンズ。そうしたレンズ像を、画像解析することで、宇宙のどこに質量があるのか質量地図を作成すると、それがダークマター地図にもなる。また、最近見つかっている、100億光年以上という遠方の観測や、太陽系以外の惑星発見にも、重力レンズが使われている。では、その方法は。とにかく、具体的で現実に行われていたり、これから行われようとしている観測、その原理、そこから何がわかるのかが書かれています。実証できない、理論書ばかりの宇宙モデルの本の中で久々に、納得できる手堅い部分でした。大量の画像解析に、Googleも参加しようとしているなど、細かな点もおさえてあって、楽しく読めました。ただ、後半10、11、12章は、急に文が読みにくくなります。翻訳時間が足りなかったのか、他の方が翻訳したのか、急に文体が変わっていて、ちょと残念。★★★★
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