2010年12月1日水曜日

キリスト謎の宝よりも真実が面白い「十字軍物語〈1〉」塩野 七生

十字軍物語〈1〉第1次十字軍が、イェルサレム王国を作るまでが1巻です。数々の伝奇小説に登場し、エルサレムの神殿から、キリスト驚異の宝物を盗掘、古代の知恵の再発見者として知られる、ゴドフロア、ボードワン、タンクレディたちの真実の姿は、どんな伝奇小説よりも面白かったです。
ダ・ヴィンチ・コードでは、聖杯伝説に結び付けられ、シオン修道会を開いたと書かれたゴドフロア、しかし、そんなインチキの姿よりも、この本のゴドフロアの方が、何倍も面白い。これだけ宗教色の薄い、十字軍を描けたのも、この作者ならではでしょう。しかし、移動中も重装歩兵の装備のまま移動したというのは本当なのでしょうか。これだけでは、納得できないんですが。★★★★

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