2011年5月14日土曜日

15世紀の書物もまだ現存です「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」ウンベルト・エーコ, ジャン=クロード・カリエール

もうすぐ絶滅するという紙の書物について「薔薇の名前」の作者というだけでなく、記号学者、Basicですがプログラムも書くというエーコ。「ブリキの太鼓」「存在の耐えられない軽さ」などの脚本を手がけたカリエール。知識巨人たちの対談集です。ふたりとも、ヨーロッパを代表する知識人であり、愛書家です。このふたりの本を、ビジネス書ばかりの、阪急コミュニケーションズが出版するとは驚きです。間違えて、電子書籍の本と思ったとも思えないし。とにかく、ふたりにとっての本とは、革装丁の古書を含む、蔵書のことです。人気の装丁家に頼むためには、数ヶ月も待たなければならない、といった対談が続きます。ぼくが昔行ったローマでは、地下が装丁を受注するための階になっていて、上で買った本を革表紙などに装丁し直してくれる本屋がありました。物理的書籍はなくならない。実際、15世紀あたりの本もまだまだ残っているわけですし。対談は、どんな本が残ったのか、なぜ残ったのかにシフトしていきます。。★★★★★

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