2011年8月8日月曜日

これぞSFでしょう。「ねじまき少女」パオロ・バチガルピ

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、キャンベル記念賞など、総なめ。amazonでは、書評の評価が悪かったのですが、これぞSF。読みやすいし、ねじまきや、ゾウの遺伝子操作生物による重機など、今までにないガジェットがいっぱい。ストーリーも悪くないし、何よりこの背景世界を描くための物語だというのがよくわかります。スバルバード国際種保存施設が破壊され、生物多様性がなくなり、遺伝子の冗長性がなくなった世界を、タイ王国を通して描いてます。収穫はできるが種籾を残せない、カロリー植物。それを通じて世界を支配する、巨大企業。同じように、子どもを残せない、ねじまき少女。そうした世界に流れる、輪廻のカルマ思想。下から、上まで世界構造を創り上げてます。Sf読んでてよかったです。★★★★

0 件のコメント:

コメントを投稿