2014年7月31日木曜日

膨大な知識が流れ込みます「雲の中では何が起こっているのか」荒木健太郎

雲の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE)地上の気温が、28度。上空5Kmで、0度。そして、上空16Kmでは、マイナス70度。この間を繋ぐ、積乱雲の中身はどうなっているのか?そんな疑問はもとより、雲の中を恐ろしい速度で解説していきます。数字がいっぱい、軽くではとても歯がたたないけど、読めば読むほど知識を授けてくれる、抜群の良書です。これほどの本が、日本のサイエンス関連の本として出たのは初めてなのではないでしょうか。凄い、凄い、凄い。★★★★★

2014年7月26日土曜日

「孤児たちの軍隊 2―月軌道上の決戦―」ロバート・ブートナー

孤児たちの軍隊2 ―月軌道上の決戦― (ハヤカワ文庫SF)イラク派兵された米軍兵士がモデルだっただろう、1巻と違って、軍で戦うことがなくなり、分からず屋の軍をだまして、英雄として一人戦うという訳のわからない展開。「宇宙の戦士」「終わりなき戦い」「老人と宇宙」のパロディでも、それなりに出来の良かった前作と違い、話しがむちゃくちゃでついていけません。★

2014年7月24日木曜日

豪華、翻訳、井辻 朱美, 永島 憲江「アーデン城の宝物」E・ネズビット

アーデン城の宝物没落した一族に最後に残されたお城の持ち主になった、10歳の弟と、姉の時間冒険ファンタジー。20世紀初頭のどっしりとした作品です。小さい頃に読みたかったと思わせてくれる、出来の良さ。J・K・ローリングの愛読書というのが、売り文句なのはいただけませんが、予想外の拾い物でした。この翻訳陣なら間違いなしですが。★★★★

2014年7月22日火曜日

ついに、ついに1巻とつながりました「天冥の標VIII ジャイアント・アークPART1」小川一水

天冥の標8 ジャイアント・アークPART1ようやく1巻とつながりました。ながかった。しかも、読むのは辛い巻ばかり。作り込んでいるが、これが本当に必要な回り道だったのか、確かめるためにも最後までつきあってみます。★★★

2014年7月19日土曜日

先生と生徒のいい話し「先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!」小林朋道

先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学シリーズ8冊目。動物行動学の本のはずが、先生と学生のいい話しの本になってしまった。本出し過ぎ。★★

2014年7月16日水曜日

住職との対談が出色「幻想神空海」夢枕 獏

幻想神空海一部のエッセイは、今更ですが、二部の高野山真言宗般若院の宮崎信也住職との対談が抜群に面白いです。高野山には、胎蔵界、金剛界両部がなくて方翼だとか、なるほどそう解釈するのかと目の鱗が剥がれます。この人の本を読みたいです。★★★★

2014年7月12日土曜日

ゲド戦記外伝「沈黙の書」乾石智子

沈黙の書世界が暗黒に飲み込まれ、戦乱が始まる。しかし、預言者によって残された種が暗黒時代の終わりを導く。これって、ゲド戦記外伝なのでは。世界を救う種が、1冊の本というところが乾石らしさ。最近の量産で、神話世界にいってしまい、作品のデキがぼろぼろになってましたが、今回の出来はそれなり。しかし、中身がこれほどゲドで大丈夫なのか?★★★

2014年7月9日水曜日

陳寿は読みたかった「三国志外伝」宮城谷 昌光

三国志外伝演義ではない、本物三国志を書いた、陳寿。他にも、演義では登場しそうもない、12人を取り上げた外伝です。マイナーだからこそ、その時代がよくわかる、歴史小説の妙を感じられる本です。面白かった。★★★★

2014年7月8日火曜日

説話でみる武士像「武士の原像 都大路の暗殺者たち」関幸彦

武士の原像 都大路の暗殺者たち王朝時代の御伽草子などに出てくる、武者像が、その後の武士にどうつながるのかを描くと書いてますが、まるでつながってない。歴史考察もないし、ダメな本なのでは。★★

2014年7月5日土曜日

30年かかって終了「獅子の門 鬼神編」夢枕 獏

獅子の門 鬼神編 (カッパ・ノベルス)シリーズ8巻。30年かけてようやく終了ですが、とりあえずきれいにまとめました的展開。登場人物の個性が影響を失い、かれらの習った技だけが彼らを構成。ちょっと残念です。★★

2014年7月1日火曜日

香港映画の脚本?「黒警」月村 了衛

黒警龍騎警察を読んだ後で読むには軽過ぎました。詐欺師たちが犯人を引っ掛けるように、外れた警官がヤクザものと組んで、権力者をはめていく。警官はもちろん、駄目警官で、奥さんに逃げられるという定番話し。ちょっとお手軽すぎました。★★