2013年5月29日水曜日

「ディアスと月の誓約」乾石 智子

ディアスと月の誓約「夜の写本師」にあった、現実味のようなものが抜け落ちて、スカスカです。神話風になったというか、魅力がなくなったというか。元の味わいある文体や、書き込みに戻って欲しいです。★★

2013年5月28日火曜日

ロンドン空襲続きます「オール・クリア 1」コニー・ウィリス

オール・クリア 1(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)「ブラックアウト」の続編ですが、物語が少しも進みません。しかも、3人の主人公はオロロしてばかり。ロンドンの人たちの描写も急になくなり、延々と3人の会話が続くばかり。大丈夫なのでしょうか?後半期待しています。★★

2013年5月23日木曜日

「巨獣めざめる」ジェイムズ・S・A・コーリイ

巨獣めざめる (上) (ハヤカワ文庫SF)刑事と、辺境宇宙の船長と、2人を交代で描く群像劇のはずなのですが、性格が大して違わない。そっくりさんが、2人で書き分けてる意味がわかりません。それでも、ストーリーにはかなりの伏線が張ってあって、頑張った作品にはなってます。ただ、2巻は長すぎです。★★

2013年5月16日木曜日

科学の社会的影響をきちんとSFに「Gene Mapper-full build-」藤井 太洋

Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)フルスクラッチで遺伝子設計された植物が登場。その社会的なインパクトを見事にSFしてます。久々のハードSFです。遺伝子改変キットに、readmeファイルが含まれていたり、ソースコードをオープンにしたり、マインドも見事に盛り込まれています。前半、文体につまずきますが、読みやすい文体。最後2割は見事にSFしてくれます。Kindle本が紙の本になって、改稿されているそうです。★★★★

2013年5月15日水曜日

twitter翻訳小説「ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1 」ブラッドレー・ボンド、フィリップ・N・モーゼズ

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1内容は想像通りですが、読むのは楽しかったです。パルプマガジンを、そのテイストのままで翻訳してあるのが、いいところ。元々は、twitterで翻訳していたものだそうです。電子出版にすれば、読む本がないときにピッタリだと思います。忍者イラストが、区別つかないので、絵柄を工夫して欲しいです。★★

2013年5月14日火曜日

儒学者怖すぎ「光圀伝」冲方 丁

光圀伝小説としてはよくできているんでしょうが、人間としては最低。義のためなら、自分の子供を平気で、兄に渡してしまう。理解不能の儒学的正義が延々と書かれていて、気持ちが悪くなります。テーマが酷すぎ。儒学者怖すぎです。★

2013年5月13日月曜日

とりあえず謎が少し解決「天冥の標6宿怨PART3」小川 一水

天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)今まで広がる一方だったお話が一旦集約。謎も若干解けて、ようやく意味を取れるようになって、少し面白さが戻った感じです。しかも、救世軍との付き合い方も、SF的な解決が見えて、人間としての小説にもどったみたい。よかったです。★★★

2013年5月12日日曜日

文化論ではなく、マーケティングで書かれた唯一の本。勉強になります「ルポ 電子書籍大国アメリカ」大原ケイ

ルポ 電子書籍大国アメリカ (アスキー新書)ランダムハウスに務めていただけあって、USの出版事情をベースに、どれを紙のハードカバーで出し、安い紙の本の移行、電子書籍に向いている分野のマーケティングには唸ります。ステファニープラムなどの本が、主婦の電子書リーダー購入にどう影響を与えているのかなど、感情論や、文化論に陥らずマーケティングとして書かれているところに力を感じます。★★★★

2013年5月11日土曜日

「日本SF短篇50 2」日本SF作家クラブ・編

日本SF短篇50 II (日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)大原まり子の「アルザスの天使猫」を読んだときは、日本のSFも新時代に入ったなあと思ったものです。第2巻で、リアルタイムに読んでた時代になりました。★★★

2013年5月9日木曜日

「てのひらの宇宙 (星雲賞短編SF傑作選) 」大森 望

てのひらの宇宙 (星雲賞短編SF傑作選) (創元SF文庫)もちろん掲載作品はリアルタイムで読んだことのあるものばかりですが、当時の自分を思い出しながら読みました。神林長平「言葉使い師」、大槻ケンヂ「くるぐる使い」は中でも思い出深いです。★★★

2013年5月8日水曜日

インターネット選挙最大の問題は、アローの不可能性定理では「不可能、不確定、不完全「できない」を証明する数学の力」ジェイムズ・D・スタイン

不可能、不確定、不完全: 「できない」を証明する数学の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫―数理を愉しむシリーズ)インターネット選挙の話題がでてきてますが、アローの不可能性定理対策ってどうなってるのということで、検索して出てきた本です。アローの不可能性定理とは、「選択肢が3つ以上あるとき、いくつか挙げられた望ましい条件をすべて満たす「社会厚生関数」を見つけることはできない」というものです。(wikiからとりました)つまり、3人以上の候補者がいると、選挙で票がわかれて、結局、民意を反映することは難しいということです。数学的な問題なので、解決は無理そう。この本にも、米大統領選などの例が出てきます。インターネット選挙の記事はあるけど、この問題を取り扱っているものはまだ見たことない。大問題なのですが。★★★★

2013年5月3日金曜日

懐かしくて、できもいい「日本SF短篇50 」日本SF作家クラブ編

日本SF短篇50 I (日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)半村良「およね平吉時穴道行」、光瀬龍「墓銘碑2007年」ただただ懐かしいです。しかも、今もSFとして十分読めます。★★★★