2014年8月19日火曜日

河川工事の専門家が見る歴史「日本史の謎は「地形」で解ける」竹村公太郎

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)家康の江戸治水工事によって、関東平野が出現した。その工事の歴史には驚きました。歴史を河川や、土木の目で見る。昔にもきちんとした土木技術があったことがよくわかりました。他にも、日本堤などによる治水工事と、吉原移転。吉良家と、徳川家と治水工事の関係。どれも、土木の目がなくてはできない歴史考察で勉強になりました。★★★★

2014年8月18日月曜日

バイオロギング面白い「ペンギンが教えてくれた物理のはなし」渡辺佑基

ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)極地研究所で働く著者の武器は、バイオロギング。マグロは、時速100Kmもでなくて実は8Kmぐらい。実際に測ってみないとわからない。しかも、測ればいいわけでもなく、海の中ではGPSは使えず、そこに知恵が詰まってます。バイオロギングの実際の話しが読みたかったので、ピッタリの本でした。★★★★

2014年8月13日水曜日

引きこもりニートのSF的冒険「SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと」チャールズ・ユウ

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと翻訳が、円城 塔 ということで、彼の作品ぽいと評判の本作。しかし、これは円城翻訳マジックで、引きこもりニートのSF的妄想話しなのでは。先月読んだ、「図書室の魔法」ジョー・ウォルトンが、文学少女のフランタジー妖精妄想と、現実のどちらともとれる微妙さを描いた作品だった様に、これもSF的手法で、ニート妄想を描いた作品。それでも、不思議な魅力に満ちていたのは、円城マジックでしょう。★★★

2014年8月10日日曜日

「さよならの儀式」大森望/日下三蔵 編

さよならの儀式 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)年間短編SF傑作選も安定した仕上がり。石川博品の「地下迷宮の帰宅部」は収穫でした。★★★

2014年8月9日土曜日

平安時代劇「王朝小遊記」諸田玲子

王朝小遊記異能の5人が集まって、家族ごっこしながら世直し。といっても特別な見所もないし、登場人物が魅力的という訳でもなく、推理小説でもなく、ただただ平安時代が舞台というだけでした。残念。★★

2014年8月3日日曜日

158回の出撃経験が「All You Need Is Kill」桜坂 洋

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)Kindle版で読んでみました。書き出し、こんな主人公で大丈夫かと思いましたが、綺麗にまとめてありました。よくできたSFです。しかし、158回の出撃経験がもう少し書けていればよかったのですが、まるでシナリオいたい。長さも短いし。小説としては物足りない。★★★

2014年8月2日土曜日

日本人の心のなかにあるもの「精霊の王」中沢 新一

精霊の王金春禅竹が書いた「明宿集」を元に、芸能の神、宿神を引っ張りだし、その意味を解説した本です。内容そのものは面白い。しかし、所々で、ドルイドやアーサー王伝説との関連が語られたり、精度に欠けます。それでも、日本人ならなんとなくわかる、芸能の神の存在を炙りだしたのは名著。★★★

2014年8月1日金曜日

対談集「ブッダの方舟」中沢 新一

先月読んでだ、夢枕獏の対談集「幻想神空海」と同じメンバーが、登場する対談集です。しかし、抜群に面白かった、高野山真言宗般若院の住職、宮崎信也が若すぎて面白くない。残念。★★