2013年7月31日水曜日

純粋に闘いになって持ち直しました「悲痛伝」西尾 維新

悲痛伝 (講談社ノベルス)読むに耐えられなかった「悲鳴伝」から、ちょっとまともになりました。今回は、前回の主人公が無人になった四国に単身乗り込み、魔法少女と闘います。例の難解な推理が始まりますが、闘いなので話の展開は速いです。このままいってくれ。★★

2013年7月30日火曜日

またしてもヨハネスブク「ZOO CITY」ローレン ビュークス

ZOO CITY 【ズー シティ】 (ハヤカワ文庫SF)「ヨハネスブルグの天使たち」に続いて、ヨハネスブルクが舞台のSFです。アーサー・C・クラーク賞受賞。今度のヨハネスブルクは、ロサンジェルス並の都会として描かれてます。音楽産業を舞台に、特殊能力を持った女性がハードボイルドに頑張ります。ある意味スタイリッシュ。しかし、能力が活かされてなかったり、ミステリーとしてのできは残念。★★★

2013年7月25日木曜日

これは建築SF「ヨハネスブルグの天使たち」宮内悠介

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ヨハネスブルグのポンテシティアパート。イエメン、泥の摩天楼シバーム。ニューヨークツインタワー。日本の団地。そんな建物がスラムと化していく、ギリギリの時を舞台に、ソニー製の人体型ロボットを引き回しに、政治的な惨状を描いた連作短編です。冒頭、意味の分からない倒置が使われていたりして読みにくいのですが、途中から速度が増してきて、読みやすくなります。しかし、詰め込みすぎの連作短編はいただけません。これ、1本に書きなおせばいいのに。それでも、直木賞候補ということで、読後はなかなかです。★★★

2013年7月23日火曜日

ぼくもカドフェル・ファンです「折れた竜骨」米澤穂信

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)12世紀のイギリス、北海の孤島で密室殺人事件。操作するのは、十字軍から戻った騎士団騎士。この時点で、若干カドフェルのことを考えていました。魔法が現実にあり、死なないバイキングが島を襲う。かなりシリアスですが、希望がなくなることもなく、グランドホテル形式で謎解きが始まります。面白かった。そして、あとがきの最後に衝撃。★★★★

2013年7月17日水曜日

活版工の意地「高岡重蔵活版習作集―My Study of Letterpress Typography」高岡重蔵

高岡重蔵活版習作集―My Study of Letterpress Typography欧文活版組版の会社、嘉瑞かずい工房。そこで印刷された製品を集めた習作集です。デザイナーではなく、組版工としての仕事150点がまとめられています。一部は、日本語のものも。いまでは、詰めの作業は簡単にできますが、これほどの味わいはありません。久々に5つ星です。★★★★★

2013年7月12日金曜日

「三国志 第11巻」宮城谷 昌光

三国志 第十一巻10巻は、亡くなった人の影響を描くことで、その人物の評価を描くという、とんでもない趣向でうなりましたが、さすがに普通に戻りました。それでも、ほとんどの三国志では描かれない時代に到達。いつまでも続いて欲しいです。★★★

2013年7月8日月曜日

「日本SF短篇50 3」日本SF作家クラブ

日本SF短篇50 III: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー (ハヤカワ文庫JA)第3巻です。椎名誠の「引綱軽便鉄道」懐かしいです。 森岡浩之「夢の樹が接げたなら」は、ちょっと拾い物でした。★★★

2013年7月4日木曜日

「不浄の血」アイザック・バシェヴィス・シンガー

不浄の血 ---アイザック・バシェヴィス・シンガー傑作選1978年ノーベル文学賞受賞者作家の短篇集です。ポーランドあたりで使われていた、ユダヤ人の使ったドイツ語、イディッシュ語で作品を書いているそうです。それを、英語に翻訳、またまた日本語ということで、どれだけ意味が抜け落ちているのかを想像しながら読まないと、結構普通の小説。因習や、伝説、風俗が抜けてしまっていて、ただ読むと、ノーベル賞作家とはとても思えません。勉強しなおして再チャレンジするしかないようです、敗北。