一文字の資料の中にも、その背景を見ていた宮城谷作品らしくない、よく知られたエピソードを繋いだような作品。漢の中祖、光武帝の物語ですが、資料の裏もなく、真に理想的な人物として描かれ、王莽は完全な悪役。天の声を聞く、不思議もなく、合理的に現代人の目で描かれる光武帝は、可哀想です。現代人に阿るのではなく、歴史の中で史書の中で眠る彼を起こして欲しかったです。それにしても、この本の評判がいいのには驚き、みんなわかりやすい、善人の歴史だけを求めているんでしょうか。人間の不思議を常に描いてきた、宮城谷作品の価値を問い直して欲しいです。★★★
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